アイウルルに注目の母ちゃん
俺の母さんは38歳。
高校1年生、16歳の俺から見れば立派な?!おばちゃんではあるのだが、クラスの連中に言わせれば「若い母ちゃんで、うれやましいねえ」と言われることが少なくない。
そんな母ちゃんだけど、ここのところ鏡を見てはため息の毎日。
「母ちゃん、どしたん?」
「目元のシワがふえちゃったようなのよ。ほうれい線も少し気になるし…」
「だって、もう中年なんだから仕方ないじゃん」
「女はねえ!幾つになっても美を求めるものなの!」
「ははーん、不倫したいと思っとるんやろ。今さら、相手にされないってば」
「こらバカ息子。そんなことばかり言っとるから、高校生にもなって彼女ができんのよ」
などと、母と息子が互いをけなし合うシーンが続いたのだけど、息子としてはいつまでも若くてきれいな母親であってほしいのが本音だったわけだ。
だからといって、スキンケアなんかには興味も関心もない俺としては、何もしてあげることができなかったわけだけど、お母さんが美容師をやっているガールフレンドに聞いてみた。
「俺の母ちゃんが、目元のシワやほうれい線なんとかで悩んでいるんだけど、なんかいい対処法ってあるか、お前のお母さんに聞いてみてくれんやろか」
「このマザコン!!と笑ってやりたいところだけど、母親孝行に免じてうちのママに聞いてみてやるわ。ただし、学食でAランチを一回おごりやからね」
それから数日後のことだった。
ガールフレンドが、ひとつのスキンケア商品を俺に見せてくれた。
「うちのママが、いまイチオシのシワ対策美容液なんだって。ママもお試し中だけど、かなり期待できそうということだったよ」
「でも、そんな商品ならけっこう高いんやろ。俺ん家、あんまり金ねえぞ」
「心配せんで!今だけキャンペーンの980円なんやて」
俺は、母ちゃんにアイウルルのことを教えてやった。
なんて、母親孝行の息子なんだと、自己陶酔してしまった。
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そんな母ちゃんだけど、ここのところ鏡を見てはため息の毎日。
「母ちゃん、どしたん?」
「目元のシワがふえちゃったようなのよ。ほうれい線も少し気になるし…」
「だって、もう中年なんだから仕方ないじゃん」
「女はねえ!幾つになっても美を求めるものなの!」
「ははーん、不倫したいと思っとるんやろ。今さら、相手にされないってば」
「こらバカ息子。そんなことばかり言っとるから、高校生にもなって彼女ができんのよ」
などと、母と息子が互いをけなし合うシーンが続いたのだけど、息子としてはいつまでも若くてきれいな母親であってほしいのが本音だったわけだ。
だからといって、スキンケアなんかには興味も関心もない俺としては、何もしてあげることができなかったわけだけど、お母さんが美容師をやっているガールフレンドに聞いてみた。
「俺の母ちゃんが、目元のシワやほうれい線なんとかで悩んでいるんだけど、なんかいい対処法ってあるか、お前のお母さんに聞いてみてくれんやろか」
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それから数日後のことだった。
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